テレビ番組が
放送されるまで
放送されるまで
どんなスタッフが
働いてるの?
働いてるの?
- プロデューサー
- ディレクター
- フロア
ディレクター - テクニカル
ディレクター - スイッチャー
- ビデオ
エンジニア - カメラマン
- 音声・ミキサー
- 美術
- 照明
- 中継スタッフ
- タイムキーパー
- アナウンサー
- 営業
- 編成
- 制作技術
-
プロデューサープロデューサーは、番組制作の最高責任者です。番組の企画から予算管理、出演者やスポンサーとの調整、制作スタッフのまとめ役、トラブルがあった場合の処理など幅広い仕事をします。番組作りがスムーズに進むようさまざまな調整をして、それらすべてに責任を負う立場にあるため、制作現場のすみずみに気を配る必要があります。全国放送など重要な番組では、チーフプロデューサーや、アシスタントプロデューサー・アソシエイト(共同)プロデューサーなど複数人で役割を分担することもあります。
プロデューサーに聞いてみた
Q なぜこの仕事を選びましたか?
テレビの力で、福島を盛り上げてみたいと思って選びました。
Q 常に意識していることは何?
全国ネットの番組と違い、福島中央テレビが放送している番組が福島県にとって有益な情報になっているか、豊かな生活を彩るエッセンスになっているかどうかを意識しています。
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
情報ワイド番組の「ゴジてれ Chu!」では、生放送中に事件・事故や災害が起きたときに「いま視聴者に必要な情報は何か?」「どこに取材に行けば視聴者に役立つ情報が得られるのか?」などを判断して番組の構成を差し替えていく必要があります。生放送番組では、そうした素早く的確な判断が求められるときが難しいと感じます。
Q プロデューサーになるためにやっておくべきことは?
"おもしろい"と思ったものが"なぜおもしろい"のかを考えるくせをつけておくといいかもしれません。おもしろい理由がわかると自分で企画を組み立てるときに参考になると思います。
Q どんな人がテレビ局のプロデューサーに向いている?
自分がおもしろいと思ったことを形にしたい人、世の中の人がおもしろがってくれることを読み取っておもしろい仕掛けを作るのが好きな人は向いていると思います。
Q 必要な資格や能力はある?
資格は必要ありません。考えていることを他人にわかりやすく言語化したりビジュアル化したりできる能力があると役に立ちます。
Q 最後にメッセージ
子どものころは、とにかく"自分はこうだ"と決めつけずにいろいろなことを見て聞いて体験してみてください。その数の違いが仕事に限らず人生も楽しくしてくれると思います。 -
ディレクター演出ともいわれ、番組の「個性」を出すのがディレクターの仕事です。自ら情報を集め、取材をし、出演交渉をして台本も書きます。自分でVTRの編集をしたり、BGMと呼ばれる音楽やSEという効果音を決めたりもします。大きな番組の場合は、放送作家といわれる人と一緒に内容を考えたり、演出の補助をするアシスタントディレクター(AD)と一緒に番組を進行したりする場合もあります。生放送番組では、台本をチェックしてカメラの位置やどのサイズで何を撮影するかなどのカメラ割り<カット割り>を決め、技術スタッフや美術スタッフなどと打ち合わせをして番組を作ります。番組の本番中では、副調整室<サブコントロールルーム>にいて、たくさんのモニターを見ながら、スイッチャーやミキサー、スタジオにいるフロアディレクター、中継現場のディレクターなどに指示を出し番組を進行します。スタジオでの番組制作だけでなく、スタジアムやドームでのスポーツ中継も担当します。
ディレクターに聞いてみた
Q どうしてこの仕事を選びましたか?
人生の最後に「楽しい仕事だったな」と思いたかったからです。
100年生きるとして、そのうち約40年は「仕事」をしながら生きていきます。ほとんどですね。一般的に「働くこと」に関して「つらい」とか「大変」という声が挙げられがちですが、私はそんな風に思いながら40年も過ごしたくありませんでした。小さなころから「スポーツ中継を見るのが好き」で「お笑い番組を見るのが好き」で「歌番組を見るのが好き」だったので、「テレビに関わる仕事をすればきっと楽しいに違いない!」という思いからテレビ局で働くことを選びました。Q 常に意識していることは何?
一番大事なのは「周りの人を大切にする気持ち」です。例えば、サッカー中継において「ゴールを決めた人の表情をアップで撮りたい!」とディレクターが思ってもその映像は撮れません。インカムという機械を通して「カメラさん、ゴールを決めた選手の顔にズームインして!」と伝えて初めてその思いが映像になります。思った通りの映像を撮ってくれたカメラマンには「ナイスでした!かっこいい映像でしたね~!」と声をかけてとにかくほめます。仕事中、特に生放送中はとにかく現場の雰囲気を明るくする気持ちで楽しく仕事することを心がけています。Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
初めてのジャンルの仕事に挑戦するときです。
情報番組のVTR編集に慣れてきたころに、スポーツの生中継ディレクターを任され、その次はドラマの撮影、その次はバラエティ番組のロケでお笑いタレントさんと街ブラ、ベテラン俳優へのインタビューなど、とにかく新しい仕事が次々と舞い込んできます。「もう少し上手くできたんじゃないかな...」と反省することも多いです。
失敗してへこむ回数も多い仕事だと思います。また、しめ切りに追われる仕事なので、よいネタが見つかっていないときや映像の編集が間に合わないというときは、とってもヒヤヒヤします。Q うれしいときはどんなとき?
力を込めて取り組んだ番組を多くの人に見てもらえた時です。
「番組のファンです!」「次の放送も楽しみにしています!」と視聴者から声をかけられたときはとても嬉しいです。私の仕事は何万人、何十万人の方が見るものを作る仕事なので、反響が大きいことは励みになります。もちろん、テレビの中にいる人たちに会えたときもうれしいです!これまで何人ものプロスポーツ選手やタレント、俳優、歌手の人と一緒に仕事ができました。
Q この仕事のおもしろいところは?
とにかくたくさんの情報に触れることができることです。
テレビ局は最新のエンターテインメントを発信していく場所なので、自然と情報が集まってきますし、流行っている映画や動画、流行っている音楽、流行っているマンガやアニメに触れている時間も「仕事」になります。本当です。「ここで鬼滅の刃の〇〇の呼吸を取り入れたコメントを入れて」とか「映像の一番盛り上がるところでヒゲダンの曲のサビを使おうかなぁ」と、こんな感じですべて仕事につながります。最新のエンターテインメントに触れる時間が増えるほど、自分の力になるのがこの仕事のおもしろいところです。もちろん、触れるだけで吸収しなかったり、本来の仕事を中途半端にしたりしてはいけませんよ!
Q どんな人がテレビ局のディレクターに向いている?
チームワークを何よりも大切にできる人です。
ディレクターの思いを形にしてくれるのは、カメラマン、音声スタッフ、タレント、アナウンサーなどなど、それぞれの道のプロフェッショナルの力があってこそ。
「ディレクターは発想が豊かな人じゃないとできない」なんて、そんなことはありません。逆にこだわりが強すぎて周りの意見を聞けない人や、自分一人で抱え込んで周りを頼ることができない人は向いてないかもしれません。「助けてもらった周りの人にありがとうと言える人」は全員、ディレクターの素質があると思います。
Q みなさんにメッセージ
テレビ局のディレクターはとっても楽しい仕事の代表だと思います。働いている私が言うのですから間違いありません。仕事だって楽しんでやりたい!という人はぜひディレクターを目指してほしいです。 -
フロアディレクターフロアディテクターは、スタジオや中継現場にいるアナウンサーや出演者などにディレクターからの指示を伝えるのが仕事です。
アナウンサーや出演者の目の前にいて、副調整室<サブコントロールルーム>や中継車にいるディレクターからの指示を伝え、番組の進行をスムーズにするために小道具やセットの移動などテレビには映らない場所で動き回っています。ほとんどの場合はアシスタントディレクターがこの役割を務めます。このフロアディレクターを経験して番組作りを学んだあとに、コーナー企画やスポーツ中継を担当するディレクターになることができます。フロアディレクターに聞いてみた
Q どうしてテレビ局で働こうと思いましたか?
私は子どもの頃、大好きだけれどイマイチ気の合わないおばあちゃんといっしょに暮らしていました。学校から帰ってテレビドラマを一緒に見たり、夕食を食べながらバラエティ番組を見たり、おばあちゃんが寝たきりになってからもニュース番組をつけながらテレビが伝えてくれることに触れてたくさん話をしました。テレビの内容を話題にするおばあちゃんとの会話が私はとても楽しく感じました。テレビの「人と人をつないでくれる力」にあこがれてテレビ局で働きたいと思いました。
Q 常に意識していることは何?
私の先輩たちの名言を3つ紹介します。勝手に「フロアディレクターの3か条」と名付けました!
①フロアディレクターはいつもいつでも一番冷静に!
②現場の雰囲気を作るのはフロアディレクターの仕事!
③常に未来のことを考えて動く!
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
ディレクターからの指示をアナウンサーや出演者にわかりやすくはっきりと伝えることができず、何度も撮影をやり直すことになりスタッフのみんなに迷惑をかけたときです。多くのスタッフが関わり放送時間が決まっている生放送の番組では、上手くコミュニケーションがとれずに時間をロスしてしまうと番組がスムーズに進まず悪い影響を与えてしまいます。そのためにはフロアディレクターは「誰にどんな声がけが必要か」がすぐわからないといけないんです。慣れるまでは毎日パニックの連続でした(笑)
Q うれしいときはどんなとき?
「普通」に放送が終わったときです。ミスや放送事故があるとテレビを見ている人も悪い印象が残ってしまいますよね。何事もない「普通」の放送こそ、私たちの最上級です。Q この仕事のおもしろいところは?
テレビ放送の一番近くにいて、スタジオや中継現場の雰囲気を感じられることです。番組の雰囲気がいいと、出演しているみなさんも楽しそうだし、その楽しさがテレビを見てくれている人にも伝わると思います。
ここだけの話ですが、「ゴジてれChu!」で楽しい話題をお伝えしているとき、スタジオでは本番中よりCM中の方がにぎやかかもしれません。アナウンサーもカメラマンもおしゃべりで盛り上がっていることがありますよ。もちろん、真面目な話題を伝えているときは、真剣に番組の進行をしています。
Q どんな人がテレビ局のフロアディレクターに向いている?
瞬発力のある人、気配り上手な人
Q フロアディレクターの必須アイテムは?
ボタンを押したときに音がしないストップウォッチです。
私は音がするストップウォッチを買ってしまい、自分で分解して音を消しました。そのせいで時計機能も使えなくなっちゃいました。もうひとつは時間板です。次のコーナーまで「あと〇分」などと書かれたもので、本番中はこれでアナウンサーに時間を教えます。Q みなさんにメッセージ
「フロアディレクターになりたい」と思ってテレビ局に入る人はいないかもしれません。私も正直、そんな名前の仕事があることもテレビ局に入らなければ知らなかったと思います。でも、テレビ番組を作る上でとっても大切な仕事の一つなんだよってことを、覚えていてもらえるとうれしいです。...とは言いつつ、難しい仕事の 仕組みは覚えられなくても、毎日放送しているテレビを楽しんでいただけたら、それが一番です!
これからも中テレの番組を楽しみにしていてくださいね。 -
テクニカルディレクターテクニカルディレクターはテレビ番組を支える技術の責任者です。制作部や報道部と番組の企画段階から打合せを行い、番組制作に必要な機材やスタッフの手配、スケジュール管理などを行います。中継を行う場合は、事前にカメラやマイクの配置や中継車の停車位置、ケーブルのルートを確認するため下見を行います。下見で決めた内容を資料にまとめ、スタッフたちと共有します。また、建物に傷をつけたり人にケガをさせたりしないよう安全に放送が行えるよう注意します。
テクニカルディレクターに聞いてみた
Q なぜこの仕事を選びましたか
学生のころに東日本大震災を経験し、テレビから得られる情報の大切さを実感しました。住民に大切な情報や福島の良さを発信できるテレビ技術の仕事にたずさわりたいと思い、この仕事を選びました。
Q 常に意識していることは何?
テレビ番組が住民にしっかり届くように、事前の準備からミスが無いよう注意しています。また、東京のキー局の番組を見て番組制作の最新技術を研究しています。
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
中継の規模が大きくなるほどいろいろな調整が増え、注意しなければならない問題も多くなります。使いたい機材やスタッフの手配ができない、急なトラブルが発生するなど、想定外が続いたときは問題解決に苦労します。
Q うれしいと感じるのはどんなとき?
担当した番組が無事に放送できたときが一番ホッとするしうれしい瞬間です。また、番組でおいしい料理を紹介して放送が終わったあと、「スタッフがおいしくいただきました」の時間が幸せです。
Q この仕事のおもしろいところは?
中継のシステムを考えるときに、新しい機材の導入や使い方を考えることがおもしろいです。「ゴジてれChu!」では福島県内の話題の場所や新しいスポットをたくさん紹介しています。プライベートではなかなか行けない場所に仕事で行けるところがおもしろいです。
Q どんな人がこの仕事に向いている?
細かいところまで気を配り、全体の様子を見ることが出来る人が向いていると思います。
Q みなさんへメッセージ
テレビ番組は画面に映らないところで多くのスタッフが働いています。テレビを見るとき、たまに「技術の人ががんばっているのかな」と思いながら見てもらえるとより楽しめると思います。視聴者に素敵な映像や音声を届けられるようこれからも努力していきます。 -
スイッチャースイッチャーは、何台ものカメラや中継現場からの映像をディレクターの指示にそって切り替え、テレビ番組の映像を完成させる仕事をします。映像を切り替える作業をスイッチングと言います。スイッチングには「ワイプ」や「フェイドアウト/フェイドイン」などいろいろな映像効果を使います。また、番組を進行中は字幕テロップをつけたり合成画面を作ったりと大忙しです。ディレクターが考えていることの先を読む能力や番組進行中に起きるどのような事態にも対処できる冷静さも必要です。テクニカルディレクターがこの役割をかねることもあります。
映像効果とは?
ワイプ
「ワイプ」とは、「ふき取る」「ぬぐう」などという意味です。
テレビでは画面の横やたてから別の映像がぬぐうように現れて場面転換をすることをいいます。画面の上に四角や丸などの窓のような形で、別な映像を出すこともいいます。
フェイドアウト/フェイドイン
「フェイドアウト」とは、画面がだんだん暗くなって次の映像に変わる効果のことです。「フェイドイン」はその逆で、だんだん映像が出てくることです。映像だけではなく音の場合にも使います。スイッチャーに聞いてみた
Q スイッチを押す時はどんな気分?
もちろんすごく緊張しています。
スイッチ自体は指先一つで軽く押せるボタンですが、間違ったボタンを押してしまうと放送事故になってしまいます。しかし、緊張しすぎても動きが硬くなってしまうので周りのスタッフとコミュニケーションをとりながら平常心でいられるようにしています。Q 常に意識していることは何?
スイッチングしたのを気付かせない、気持ちのいいリズミカルなスイッチングを心がけています。
Q どうしてこの仕事を選びましたか?
子どものときからテレビが好きだったのでテレビ番組の制作にかかわる仕事をしたいと思っていました。そして、学生のときにテレビ局に見学に行き、実際に番組を作っている現場を見たときに、たくさんのスイッチを操りながら番組を進めていく姿がかっこよくて自分もやってみたいと思いました。
Q この仕事のおもしろいところは?
スイッチャーは一人で仕事をすることができません。撮影してくれるカメラマンたちと番組の構成を考えてくれるディレクターとの間で映像を整え、番組を形にしていく仕事だと思っています。だからこそ全員の気持ちが一つになって放送を終えたときの達成感は、他の仕事では味わえないと思います。Q みなさんにメッセージ
スイッチャーはテレビ番組を作っているスタッフの中でも一歩後ろにいて、あまり目立つ仕事ではないかも知れませんが、放送に関わっている様々な仕事を知ってもらいテレビをより身近に感じてもらえたらうれしいです。 -
ビデオエンジニアビデオエンジニアは、カメラやモニターなどさまざまな映像機器の調整や設定をする技術者です。カメラは屋外の明るい場所や室内の暗い場所では映り方が変わり、色や明るさを調整しないと上手に撮影できません。視聴者にきれいな映像を届けるために撮影している場所や状況に合わせてカメラの設定を行います。また、撮影中にトラブルが起こらないように普段からカメラなどの機材を整備したり点検したりすることも大切な仕事です。
-
カメラマンカメラマンは、テレビ番組で放送するさまざまな映像を撮影します。スタジオでアナウンサーや出演者を撮影するために大きなカメラを扱うだけではなく、肩にかつぐカメラを持ってロケーション撮影を行うこともあります。カメラマンは、さまざまな種類のカメラの使い方を学び、出演者の表情や美しい景色などをきれいに撮影する技術を身に着けることが必要です。また、スポーツ中継では動き回る選手たちの躍動感を撮影したりボールの位置をしっかりと映像にとらえ続けたりする高い技術も必要です。
バラエティ番組の撮影では複数台あるカメラで何を撮影するか役割が決められ、カット割り<カメラ割り>を事前の打ち合わせや台本で指示されますが、実際の撮影現場では打ち合わせや台本にないことも発生するため、アドリブのセンスも求められます。カメラマンに聞いてみた
Q この仕事のおもしろいところは?
自分がきれいだと思う映像を自分の意志で自由に撮影することができるのがカメラマンの魅力だと思います。センスやアドリブなど難しいことも多い仕事ですが、その分、自分が撮影した映像が多くの人に評価されるといった楽しさもある仕事です。
Q 常に意識していることは何?
取材する人たちの表情を視聴者に伝わるようにしっかり撮影することと、そのときその場所でしか撮れないことを映像に残すということを意識しています。
Q 肩にかつぐカメラはどのくらいの重さ?
8~10 キログラムくらいです! -
音声・ミキサー音声やミキサーを担当するスタッフは、番組で使用するVTRや中継の音声などを調整して送り出す仕事をします。それぞれの音が番組に合った音質や音量になっているかどうかを、自分の耳だけではなく音量計という機械で目でも確認しながらバランスを調整します。スタジオの中や中継現場ではPAという音響装置も担当します。
また、事前の準備も大切です。マイクにはピンマイクやガンマイクなどさまざまな種類があり、スタジオや中継でどのような種類のマイクを使えばよいかを考えて準備をします。マイクの特性やセッティングする場所による効果など、機材の知識だけではなく音に対する繊細な感性とするどい聴感が求められます。テレビ番組で使う音響装置のPAってなに?
PA
PAとは「PublicAddress」という英語の略で、「公衆の前での演説」などという意味です。そこで使う拡声装置を「Public Address system」といいます。テレビ放送でのPAとは、スタジオなどで「そこにいる人に聞こえるように出す音」装置をいいます。音声スタッフに聞いてみた
Q 常に意識していることは何?
よく「テレビを見る」と言いますが、テレビは映像だけでなく音も流れてきます。しかも、流れる音は一つではなく、人の声や音楽などさまざまな音がまざっています。そのいろいろな音をバランスよく調整するのが音声スタッフの役割です。音というのは目には見えません。ですから、音声スタッフは、機械を操作する知識ももちろん大切ですが、それ以上に経験と感性が重要な仕事です。
例えば、中継の現場で不適切なマイクを使い、不適切な場所に設置した音をそのまま放送してしまうと「アナウンサーの声が聞きたいのにまわりの音がうるさくて聞こえない」とか「なんだか迫力が伝わってこない」というようなことになってしまいます。そのために私たちは、まずマイク選びとマイクを設置する場所について経験と感性を生かしながら細心の注意を払います。そして、マイクで集めた音をさらに機械で調整し、聴きやすいバランスにして放送しています。マイクにはアナウンサーの胸元につけるような小さなピンマイクから、外のあらゆる音をひろう大きなマイクまでいろいろな種類や特徴があります。これらのマイクの中から最も適したマイクを選び、時には迫力ある音を、時には普段聞き逃がしてしまうような小さい音を、いかに伝えることができるかを常に考え勉強しています。せっかく適したマイクを選んでも、適した場所にマイクを設置しなければ意味がありません。もしも今まで、みなさんがテレビの音を何気なく聴いていてくれたならば、それは私たちが調整した音がよいバランスでみなさんの家庭のテレビに届いているということだと思います。今後、テレビでも放送されるようなコンサートやイベントなどに行く機会があったら、実際に会場で聴いた音と、テレビで聴く音の違いを比べてみてください。
Q どうしてこの仕事を選びましたか
昔から音楽が好きでした。そこでいろんな仕事があることを知りました。アーティストの曲を録音する「レコーディングエンジニア」、ライブで観客に音を出す「音響さん」、中でもテレビに映る音声さんがカッコいいと思い選びました。Q この仕事のおもしろいところは?
普段は家で見るはずのテレビの裏側で仕事してることですね。もちろん失敗したら放送事故になるので怖いですが、リアルタイムで見てる人に直接音が届いているってすごい不思議でおもしろいですよね。
実はゴルフ中継でボールがカップインするときの音って、すごく離れたところからマイクで狙ってるんですよ!今度ゴルフ中継を見る機会があったらどこにマイクがあるか探してみてくださいね。
Q 音声担当になるためにはどんな能力や資格が必要?
これといった資格は必要ありません。音が好きだったら誰でもなれる職業です。Q みなさんへメッセージ
みんなが普段遊んでる公園や通っている学校、歩いてる道路にもいろいろな音があるんです。それが「どんな音かな~」って考えてみよう!お父さんお母さんの声はどんな声だろう?お友達の声はどんな声だろう?いろんな音があるからいっぱい聞いてみてね! -
美術テレビ番組で使用するフリップ、字幕テロップなどを制作したり、スタジオを彩るためのセットをデザインする仕事です。「ゴジてれChu!」で使用する小道具やサイコロゲームのサイコロの補修なども行っています。また、テレビコマーシャルで使用するコンピュータグラフィックスを作ることやイラストなどを描くこともあります。さらに、テレビ番組を宣伝するポスターやチラシを制作するのも仕事です。
美術スタッフに聞いてみた
Q 常に意識していることは何?
番組で使用するフリップや字幕テロップは放送の関係上、ほんの数秒しか映らないことがよくあります。そのため視聴者が一瞬で見てどんな情報かすぐわかるようにシンプルでわかりやすいデザインを心がけています。また、テレビで正しい情報を伝えるために誤字や脱字がないかも特に気をつけています。
他に意識するものと言えば、反射する光です。文字や イラストをかいたフリップをカメラで撮影するときはフリップに照明があたりますが、光を反射するとどんなに時間をかけて作った物も全く見えなくなってしまうことがあります。光の反射を考えて工夫してつくることを心がけています。Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
ニュースや天気予報を放送する夕方の時間帯は緊急性の高い仕事が増えます。特に天気予報は最新の情報を伝えるため制作がギリギリになることがよくあります。夕方は時間との戦いなので、会社の中あちらこちらを走り回っています。時々「体力的にキツイなぁ...」と思うことがあります。
Q 嬉しいときはどんなとき?
美術の仕事は情報を伝えるのはもちろんですが、雰囲気を伝えるということも大切です。スタジオに大きな写真のパネルを飾ったり、小道具を使ったりしてニュースの問題点をわかりやすく伝えることで視聴者に興味を持って見てもらえるよう努力しています。なので、「あのニュースわかりやすかったよ」と言ってもらえるととてもうれしいです。Q 美術スタッフになるためにはどんな資格や能力が必要?
特に必要な資格はありません。絵を描くことが得意ではなくても「こんな仕事は楽しそう!」という気持ちがあれば誰でもできると思います。
子どものころはスポーツや音楽などからさまざまな知識や経験が得られますが、私は小学校のときの図画工作が一番仕事に役に立っています。無駄なものなど何もないのだから、何にでも興味を持って自分の武器にしましょう。 -
照明テレビ番組の照明を担当するスタッフは「ライティングディレクター」や「ライティングオペレーター」とも呼ばれ、番組が引き立つようにさまざまな照明設備を使って光をデザインします。テレビ番組は、照明によって映像効果が大きく違ってきます。人物やものを浮き立たせるために、影の効果を使ったり、背景を工夫したり、番組の善し悪しの一つは照明スタッフの腕にかかっています。番組作りにおいてとても重要な仕事で、色の再現性、色温度、照度などの専門的知識と芸術的感性が求められます。
テレビ番組で使う照明にはどんな種類があるの?
スタジオの照明では、番組の内容がより引き立つようにスポットライト、フラッドライト、ホリゾントライト、特殊効果を出すエフェクトライトなどを使い分けています。スポットライトは人物や強調させたいものにあて明暗や影を表現するために使います。フラッドライトは影の出にくい照明で、ベースライトとも呼ばれ空間全体を明るくします。ホリゾントライトは背景の幕に当てるための照明で、赤、緑、青のカラーフィルターを使って背景に色をつけます。LEDライトでは、カラーフィルターを使わずにさまざまな色を出すことが可能なりました。エフェクトライトは、光を利用して雲や雪、波、幾何学模様などを表現するときに使います。光が自動で動くムーブライトもこの一つです。
スタジオでは、こうしたいろいろな照明器具を使い位置や高さ、角度などを調整します。照明の当て具合によって映像効果が大きく違ってきます。スタジオの隣にある副調整室には照明をコントロールするための装置があります。スタジオの照明をつけたり消したり色を変えたりすることやさまざまなライトの切り替などの操作を行います。番組の内容や進行にあわせて、どのライトをどのくらいの明るさにするかなど、光の量を調整し明暗を出すなどして光をデザインします。音楽の番組では、複雑な切り替えを事前に設定しておくことで音楽にあった演出が可能になります。照明スタッフに聞きました
Q スタジオにはどのくらい照明があるの?
照明はバトンにつってあるものと床に置いてあるものを合わせて約200個あります。
Q 常に意識していることは?
照明の仕事は真っ暗なところから始まります。スタジオは外の光が入らないような厚い壁があります。テレビ番組を放送しているときは明るいスタジオですが、照明がないと昼間でも真っ暗なのです。
福島中央テレビの情報ワイド番組「ゴジてれChu!」を放送するスタジオの照明は、高い所にあるものが多いので、照明を配置するには高さ約4メートルもある脚立で作業をします。バトンと呼ばれる照明をつるすための金属のパイプを自動で上げ下げできる装置もありますが、細かい調整は脚立を使いますのでいつも危険がともないます。けがをしないよう、常に気をつかわなくてはなりません。
中継のときは、スタジオとは全く違う条件で照明を準備しなくてはならないので、ディレクターやテクニカルディレクターとともに事前の下見を行います。照明のスタッフは、カメラで撮影する人やものをテレビ画面で一番きれいに映る方法を考え、勉強をしています。Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
時間の流れや天気の影響を受ける屋外での作業は難しいです。特に夕方は、急に暗くなってくるので夕焼け空を表現するときは明かりのバランスに苦労します。
Q 嬉しいときはどんなとき?
歌番組で照明を操作してるときに、カメラマンが撮影する映像とスイッチャーの切り替えと照明の演出がピッタリあったときにはとても気持ちがいいです。番組ごとに照明の配置を考えてセットするのは大変ですが、できあがったスタジオのセットにひとつひとつ明かりを照らしながら作りあげていくのはとてもおもしろいと感じます。 -
中継スタッフ中継で番組を制作するためにはスタジオから放送するのとほぼ同じ人数のスタッフが必要になります。複数の場所から中継する場合は、中継する場所の数だけ下の構成表にある人数のスタッフがかかわります。
中継の現場スタッフ構成
・中継プロデューサー
・中継ディレクター
・中継フロアディレクター
・中継アシスタントディレクター
・中継リポーター(アナウンサーなど)
・中継テクニカルディレクター
・中継スイッチャー
・中継ビデオエンジニア
・中継カメラマン
・中継カメラアシスタント
・中継音声ミキサー
・中継照明
・中継車ドライバー(大型運転免許を持つ人)
スポーツ中継の場合はさらに以下の担当が必要です。
・スローオペレーター
・スポーツコーダーテレビ中継ってどれぐらい大変なの?
中継場所にあるカメラやマイクから映像や音声を中継車に送るために長いケーブルを準備して設置しなければなりません。カメラが何台も必要な広い場所で中継を行う場合は、ケーブルをひくだけでも大変な仕事です。特に広いゴルフ場で行う中継番組では、5キロメートル以上の長さのケーブルを設置する必要があります。また、サッカー中継を行う場合はマイクを20本使うときもあり、音声ケーブルを準備して設置するのも苦労します。夏場の暑い時期も大変ですが、真冬の寒さの中でテレビ中継を行うこともあります。そうした中でも、テレビを見ている人に楽しんでもらえるよう、役立つ情報を届けられるようにスタッフがチームワークで協力し合いながら中継を行っています。 -
タイムキーパータイムキーパーはテレビ番組の時間を管理する役割で、特に生放送番組で活躍します。タイムキーパーは略してTKさんと呼ばれます。
番組が決められた放送時間内におさまるように秒単位で時間を管理しています。テレビ番組は放送時間が決まっているので長くても短くてもいけません。放送がぴったりの時間に終われるよう、残り時間などをディレクターやスタッフに伝えます。長い番組では、何回もCMが入ったり何本ものVTRが使われたりします。それぞれの分数や秒数は事前に決まってるので、その時間をストップウォッチで正確に計りながらカウントしていきます。それと同時に、番組の進行が早まっているのか遅れているのかを周囲のスタッフに伝えます。番組放送中のディレクターは、カメラマンやフロアディレクターなどにさまざまな指示をしなければならないので番組の時間管理をタイムキーパーがサポートします。常に冷静さが求められる仕事です。タイムキーパーに聞いてみた
Q 常に意識していることは何?
冷静に。そして平常心で。
Q この仕事のおもしろいところは?
生放送の番組で番組の進行が遅れている時などは、アナウンサーにコメント部分を短くしてもらったり、カットできる部分はカットして、時間の調整をしていくのですが自分が計算した通りに番組が進行していき、無事に番組が終了した時には達成感があります。
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
生放送番組では緊急ニュースが入ってきたり、急に中継の回線が切れてしまったりなど不測の事態が起きてしまう事があります。そうなると、番組の構成が変わってしまう場合もあり、コーナーごとの時間を細かく調整していかなければなりません。番組を放送時間通りに終了させるために、素早く時間調整をすることが必要で、そんなときに「難しいなぁ」と感じます。
冷静な判断で番組進行が出来るように平常心でいることを心がけています。 -
アナウンサーアナウンサーは、テレビ番組の司会やスポーツ番組の実況をしたりニュースを伝えたりなどさまざまな仕事があります。テレビ番組では司会のほかにもリポーターとして中継を行う場合もあります。また、ナレーターとして映像のナレーションを読むことや自らいろいろな場所にでかけて取材やインタビューも行います。そして、テレビ番組に出演するだけではなく、イベントの司会者としても活動しています。
アナウンサーに聞いてみた
Q どうしてアナウンサーになりましたか?
2011年の東日本大震災でふるさとが被災したとき、東京の大学に通っていた私はふるさとの状況がわからずパニックになっていました。そのときにテレビでアナウンサーが冷静に状況を伝えていたのを見てパニックになっていた気持ちを落ち着けることができました。その経験から私も自分の生まれ育った地域の役に立つ情報を発信し「誰かのためになりたい」と思いアナウンサーを目指しました。
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
例えば「あしたは雨が降るでしょう」というニュースを伝えるとき、観光地にでかけようとしている人にとっては「うわ~雨は嫌だな」と思うかもしれません。一方で、果物や野菜などを育てている農家さんにとっては、待ちに待った恵みの雨と感じているかもしれません。どんなニュースも見る人にとってはとらえ方が違います。情報を伝えるときは、誰か特定の人に向けてではなく多くの人の立場になって伝えなければなりませんが、アナウンサーの考え方によって伝わり方が変わってしまうのは難しい面でもあります。そのため「この言葉は誰かを傷つけないかな」と、伝える前に常に気を付けるようにしています。
また、学校のように土曜日や日曜日に必ず休める仕事ではありません。大地震などの災害が発生した場合は、すぐに住民に情報を伝える大切な仕事があり、生活が不規則になる場合もあります。さらに、被災地や事故現場など悲惨な現場に足を運んでリポートしたり、被災者に話を聞いたりすることもあります。厳しい事実やつらい現実を真正面から受け止めなければならない仕事でもあります。Q うれしいと感じるのはどんなとき?
テレビを見てくれた人や取材させていただいた人から「伝えてくれてありがとう」と言ってもらったときが何よりも一番うれしいです。
Q この仕事のおもしろいところは?
たくさんのスタッフたちと一緒に協力しながら番組を作り上げていくのはとても楽しいなと思っています。
文化祭や合唱コンクールって、みんなと一緒に取り組んで、課題が出てきたらみんなで悩みながらもそれに向き合って乗り越えて、最後に本番がありますよね。終った瞬間は、何とも言えない達成感にあふれて、みんなが笑顔になりませんか?番組を作り上げていくときも、それと似たような感覚になるときがありおもしろいなと感じています。その感覚はとても大切だなと思っています。なぜなら、私たちが番組を作っていて「楽しいな」と思うときは、テレビを見ている人たちにもその感情が伝わっているような気がするからです。Q どうしたらアナウンサーになれますか?
免許のような資格は特にありません。話すことの好きな人、人と接することが好きな人なら誰でもなることができます。ただし、テレビ局の試験に合格しなければアナウンサーにはなれません。その試験のときに、大学を卒業しているかどうかや年齢などの受験資格がある場合があります。
ニュースなどをわかりやすく伝えるためには、日頃からいろいろな分野の知識を吸収し、言葉の勉強が必要です。また、アナウンサーは単に「ニュースを読む人」ではなく、ジャーナリストとしての資質も求められます。日常の出来事に対する強い好奇心と、情報を的確に伝えられる判断力と表現力、正しい言葉を使う能力を養って、みなさんもぜひ挑戦してみてください。
Q アナウンサーになるために今(小さい頃)からやっておくべきことは?
アナウンサーはさまざまな職業の人にインタビューすることが多いので、いろいろな人物や物事に興味を持ち、疑問に思ったことは調べることが大切です。また、スポーツや楽器など何でもいいのですが、一つものに没頭して一生懸命続ける経験は役に立つと思います。Q どんな人がテレビ局のアナウンサーに向いている?
誰かを喜ばせることが好きな人、人と話すことが好きな人、責任感の強い人、好奇心旺盛な人です。
Q 10年後アナウンサーの仕事はどうなると思う?
近い将来、AIなどコンピューターがアナウンサーに代わってニュースを読む世の中になっているかもしれませんね。でも、文章の意味から感情を読み取ることや取材した人の表情などから思っていることを読み取るのは生身の人間にしかできないと思います。
インタビューをする時やリポートするときなどに「一瞬の感情を読み取ること」は必ず必要になると思うので、アナウンサーという職業が将来なくなることはないと思っています。あとは、いつかアナウンサーが宇宙から中継する日がきたらとても夢があっていいですね。Q アナウンサーはどうして下を見ないでニュースを読めるの?
ニューススタジオにはプロンプターという目の前に読む原稿が映っている画面があり、それを見て読んでいるので下を見なくてもニュースを読むことができます。プロンプターがない場所では、カンペと呼ばれるアナウンサーが読む原稿が書かれた紙(スケッチブックなど)をスタッフが持ってくれている場合もあります。
Q みなさんへメッセージ
アナウンサーの仕事は華やかにみえますが、実はその裏ではコツコツ下調べをしたり資料を作ったりする仕事がたくさんあります。そして、チームワークもとても重要になります。誰かと協力して一つのものを作り上げたい人や、テレビで広く情報を発信したいと思っている人は、アナウンサーの仲間となって一緒に働きましょう! -
営業福島中央テレビは、民間放送のテレビ局です。民間放送は、CMというスポンサーの広告を放送して収入を得て番組を放送します。自動車メーカーは自動車を、食品メーカーは食品を売ります。では、民間放送の商品は何かというと「時間」です。番組の中や番組と番組の間にCMが流れますが、視聴者に喜んでもらえる番組を放送することで、その「時間」に流すCMの価値を高めCMの効果が出るように努力しています。CMの効果が出るということは、そのCMを出している企業や団体がたくさんの人に知られるようになり、製品やサービスが売れるようになるということです。
地上波の民間放送は、視聴者のみなさんから視聴料というお金をいただいていませんので、スポンサーからの広告費で成り立っています。BSやCSと呼ばれる衛星放送では視聴料が必要な有料放送もあります。
世の中にCMがないと、メーカーがいくらよいものを作っても、生活に役立つどのような製品があるかが分かりません。CMは私たちにとって、とても大事な情報です。
福島中央テレビの場合、福島県内の郡山市、福島市、いわき市、会津若松市のほかに、東京、大阪、宮城県仙台市に支社があり、そこに営業の担当者がいて、広告代理店と一緒にスポンサーを訪ね、スポンサーの製品をみなさんに知ってもらうためには、どの時間にCMを放送するのが効果的かなどの相談をする仕事をしています。営業の担当者に聞いてみた
Q 支店の営業と本社の営業で何が違う?
支店の営業と本社の営業では、やり取りをするスポンサーの性質が違います。本社営業は地元の福島県に本社のあるスポンサーと仕事をしているので、より地域に根差した提案を日々考えています。支社営業がやり取りをするスポンサーは福島県に本社が無いスポンサーも多いので、まず福島県のことを知ってもらい福島県で商品やサービスをPRするためのお手伝いをします。
Q この仕事のおもしろいところは?
視聴者に商品やサービスを知ってもらうために、テレビ番組の中で紹介する企画を考えたりイベントを企画したりなど「このスポンサーとこんなことがしたい!」と思ったら、実現することができるのがおもしろいと感じます。そして、自分の提案で実現したテレビ企画やイベント企画がPR効果を発揮し、商品が売れたりサービスが多くの人に知ってもらえたりなどしてスポンサーに喜んでもらえたときはとてもうれしいです。
テレビ局のイメージといえば、テレビ番組を作る「制作部」やニュースを報道する「報道部」が頭に浮かぶと思いますが、テレビ局にはその他にもたくさんの仕事があり、たくさんの人が働いています。その中でも営業は、スポンサーのためにテレビ局がどのように協力できるかを考え、スポンサーと一緒に地域を盛り上げることができるやりがいのある仕事です。ぜひ、テレビ局のいろいろな仕事について知って「テレビ局で仕事がしたい!」と思ってもらえるとうれしいです。 -
編成テレビ局には放送局独特の部署がいくつかあり、編成もその一つです。編成はテレビ番組全体のプログラムを考え、どのような番組をどのような時間に放送するかを決めることが大きな仕事です。学校や会社にでかける人が多い朝の時間帯にはどのような番組を放送するか、家族が集まる夕方の時間帯にはどのような番組を放送するかなど、最も適した時間に最も適した番組を放送するよう、放送時間を組み立てることを「番組の編成」といいます。
どの番組を放送するかを決めたら、より多くの人に見てもらえるよう、ポスターや宣伝のVTRなどを用意して「広報」をします。ちなみに、テレビ番組のグッズの製作なども編成の仕事です。それと同時並行で行うのが「運行」の仕事です。テレビ番組の内容は本編とCMに分かれますが、番組の中にCMがいくつあってどれくらいの長さなのかを確認しミスなく放送するように管理します。また、テレビ番組の映像や音声にキズやノイズなどが含まれていないか、字幕テロップがきちんと表示されているかなどを放送する前に見て確認しています。
そして迎える番組の放送。生放送番組では、CMがきちんと放送されるかなど制作部や報道部の担当者と確認しながら放送のサポートもします。
放送後は、番組がどれくらいの人に見てもらえたか視聴率を分析し、改善すべき点や評価できる点を洗い出し、今後の番組制作や放送する番組選びに生かします。ほかにも、番組の中に視聴者の害となる内容が含まれていないかを確認する「考査」や著作権を侵害していないかなどを確認する作業などいろいろな仕事をしています。編成の担当者に聞いた
Q 常に意識していることは?
福島県民がいまどんな情報を知りたいのかを常に意識しています。例えば「ゴジてれChu!」を放送している最中に、福島県外で発生した緊急のニュースが飛び込んできた場合、放送すべきなのは予定していた福島県内の情報なのかそれとも県外の緊急のニュースなのか。放送する番組を選ぶときも、福島県民が知りたい情報が含まれる番組を探したり制作したりしています。
Q 大変なことはありますか?
大きな事件や事故、災害などの緊急時に対応するために24時間体制で放送を管理するのは大変な仕事です。福島県民が知りたい情報であれば、全国や世界のどこで発生した事件や事故などでも、予定していた放送を変更して情報を伝えます。そのため、常に有事に対応できる体制を整えなければなりません。
Q うれしいと感じるときはどんなとき?
多くの人に見てもらえたり、その反応があったりしたとき。これに限ります!すべては中テレを見てもらうための仕事ですから!Q この仕事のおもしろいところは?
編成だけでなく、テレビ局ではたくさんの人がチームプレイで働いていて、みんなで作ったテレビ番組が多くの人に見てもらえて、視聴者から大きな反響があったときはとてもうれしいと感じます。また、緊急の特別番組をミスなく放送したときに充実感を感じます。
いくら制作部や報道部がよい番組を作ってくれても、視聴者がテレビをあまり見ないタイミングで放送したり、番組にキズが含まれていたり、番組の存在や放送日時があまり知られていなかったりして見てもらえなかったらとても残念ですよね。テレビ局の仲間たちが一生懸命作った番組をどうやって多くの人に見てもらえるかを私たちは四六時中考えています。ぜひ、私たちスタッフ全員が工夫を凝らした番組をお楽しみください! -
制作技術制作技術の担当者は、テレビ番組を制作するために必要なシステムや最新の機械や装置などを研究して番組に取り入れ、それらすべてをあやつる技術を持つスタッフです。スタジオにある映像や音声など機器や中継に必要な機器、ドローンなど特殊撮影に必要な機器などに詳しい知識を持ち、それらをテレビ番組の制作に取り入れるための仕事をしています。
制作技術のスタッフに聞いてみた
Q この仕事のおもしろいところは?
全国で多くの視聴者が見るお正月の「箱根駅伝」の撮影に参加したときはおもしろかったです。オートバイで移動しながらランナーを撮影したり、高い山の上からコース全体を撮影したりなど一つの番組を制作するためにさまざまな最新技術が取り入れられていました。そうした経験を生かし、ドローンで撮影した、いままで見たことのない映像を取り入れるなど、テレビ番組をおもしろくするためのアイディアを考えることがとても楽しいです。そして、自分が考えたアイディアが番組の中で使われ、多くの人に見てもらえたときはとてもうれしく感じます。
Q この仕事につくために必要な資格や能力はある?
テレビ番組の中継で電波を送信するためには「無線従事者」の国家資格が必要です。また、最近ではテレビカメラだけではなく、スマートフォンのカメラ機能をつかった撮影なども行われ、その映像を編集するためにパソコンやスマートフォンのアプリを使いこなす技術やインターネット配信に必要な知識が求められることが増えています。
Q 常に意識していることは何?
高画質の4Kカメラなど撮影する機器の性能が向上したり、映像や音声をやりとりする通信速度が高速化したり、世の中では技術革新が急速に進んでいます。そうした技術をテレビ番組の制作に生かすために毎日、研究を続けています。
Q どうしてこの仕事を選びましたか
きっかけは中学生のころです。スタジオで大きなカメラを操っているカメラマンがとてもかっこよく見えたからです。大学では放送学科で学び、ドラマ制作実習を通して技術の楽しさを知り、制作技術の道を選びました。もともと「縁の下の力持ち」という立場に魅力を感じていたことも、きっかけのひとつです。
Q 難しいなと感じるのはどんなとき?
機械はいつか壊れるので、生放送中のトラブルにどう対応するか、どれくらいバックアップを用意しておくべきか、技術の腕の見せどころでもあり、難しいところでもあります。
Q みなさんへメッセージ
一言で技術といっても、その範囲はとても大きく、最近はインターネット配信の仕事も加わったこともあり、常に新しい知識をアップデートしていかなければついていくことができません。でも、それだけ刺激的で楽しい仕事です。制作技術に興味があったら、まずはスマホでかっこいい動画を撮るためにいろいろ工夫してみるのもいいかもしれませんね。