今回は5月15日の「ヨーグルトの日」にちなんだトピックスや由来など、Chu！モクポイントをご紹介します。

ヨーグルトの日の由来

5月15日はヨーグルトの健康的な価値を初めて世界に広めたロシアのノーベル賞微生物学者メチニコフ博士の誕生日。そのメチニコフ博士の誕生日にちなんで乳製品や菓子などを製造・販売する株式会社明治が提唱した記念日です。
「ヨーグルトの日」には、メチニコフ博士の誕生を記念するとともに、ヨーグルトを通して大切な人の健やかな毎日を願う、そんな想いもこめられています。
 

ヨーグルトの歴史

・ヨーグルトの起源

ヨーグルトとその仲間の発酵乳の始まりは、木桶や革袋に入れておいた乳に偶然入り込んだ乳酸菌によってできたものといわれていて、紀元前数千年前、人間が牧畜をはじめた頃から作られており、世界各地で特色のあるヨーグルトが食べられていたようです。これが現代のヨーグルトの起源。
主に、東ヨーロッパから中央アジア、北アフリカの遊牧民たちにより羊、山羊、牛、馬などの乳から経験的な製造方法で、生乳より保存性が良く、また、自然発酵により現在のヨーグルト状になった食品を、動物性蛋白質やビタミン、ミネラル源を含む貴重な日常の食糧として利用していたようです。

ヨーグルトの特徴

 

・ヨーグルトの「整腸作用」

　ヨーグルトの乳酸菌が作り出す乳酸や酢酸などの有機酸は、悪玉菌の増殖を抑えて腸内腐敗を防いだり、腸管を刺激して腸のぜん動運動を活発にしたりします。さらにヨーグルトに含まれる乳糖が善玉菌の栄養源となってその増殖を助けます。
 

・ヨーグルトの「栄養」

　ヨーグルトには「完全栄養食品」と言われる、牛乳の良質なたんぱく質、カルシウム、ビタミンなどが含まれています。その上、ヨーグルトには乳酸菌の効果がプラスされています。栄養価と乳酸菌、この2つがヨーグルトが体に良いといわれる理由になっているのです。
 

・ヨーグルトの「乳酸菌」

乳酸菌とは、乳糖やブドウ糖を栄養として増殖し、その過程で多量の乳酸をつくる（乳酸発酵行う）細菌の総称で、乳を発酵させるヨーグルト作りに欠かせないものです。乳酸菌にはたくさんの種類があり、その組み合わせによって味わいも食感も異なります。
・ヨーグルトとのむヨーグルトはほとんど同じ
液状ののむヨーグルトは、発酵して固まったヨーグルトをかき混ぜて軟らかくし、液糖や果汁などを加えて飲みやすくしたものがほとんどです。どちらも100ｇ当たりの乳酸菌の量は同じで、腸内細菌のバランスを整えておなかの調子を良好に保つ効果に違いはありません。酸味が苦手な人、手軽に飲みたい人はのむヨーグルト、ヨーグルト独特の自然な風味や食感、さまざまな味のバリエーションを楽しみたい人は食べるヨーグルトが良いでしょう。  

ヨーグルトの健康効果が科学的に実証されて100年

乳酸菌を世界で初めて本格的に調べたのは発酵微生物学の始祖、フランス人のパスツールといわれています。1857年に、酸っぱくなった乳を顕微鏡で調べた結果、乳の中に微生物が存在することを認め、乳酸酵母と命名しています。
その後、そのパスツール研究所の研究員となるロシア生まれのノーベル賞生物学者・メチニコフが、1900年代の初め、「ブルガリアに長寿者が非常に多いのはそこに住む人々がヨーグルトを毎日大量にとることによって、ヨーグルトの中の乳酸菌が腸内に住みつき、腸内腐敗菌の増殖と毒素産生を抑え、動脈硬化を防いでいる」と考え、自らヨーグルトを食べ、また、周囲の人にヨーグルトをとることを進めたといわれています。
それを裏付けたのがブルガリア人の医学者、グリゴロフです。1905年、ヨーグルトの乳酸菌を分離し、伝統的なブルガリアヨーグルトがブルガリア菌とサーモフィラス菌の2つの菌種であることを発見しました。これが、今も変わらないヨーグルトの種菌です。

ところで、近年、乳酸菌、腸内細菌の研究が飛躍的に進展し、ヨーグルトの乳酸菌がそのまま腸内に棲みつくことはないと考えられています。しかし、メチニコフの提唱は重要で、現在も乳酸菌やヨーグルトの健康効果の科学に大きな影響を与え、その効果が科学的にさらに次々と明らかになりつつあります。

 

2023年12月に発売50周年「明治ブルガリアヨーグルト」の新ブランドが誕生

明治が本場ブルガリア共和国の手作りヨーグルトを再現した「HOME MADE STORY」が、2024年4月から新発売。

ブルガリア共和国の手作りヨーグルトは、素焼きの壺で作られていることにより水分が適度に抜け、時間をかけてゆっくり発酵されて濃厚なコクが出てなめらかな口当たりになります。この伝統的なヨーグルトのおいしさを、50年の研究によって培われた明治の独自技術を結集して再現し、さらに日本人好みの味に仕上がっています。

5月15日の「ヨーグルトの日」を機に、ヨーグルトを食べておいしく健康について考えてみてはいかがでしょうか？