2021.09.03
tender-hearted liars
郡山の先行上映に続き、きょうから県北・いわきの皆さんにもご覧頂けるようになりました!映画『浜の朝日の嘘つきどもと』。
私はマスコミ向け試写会と、福島県限定鑑賞券を使ってと、2度観ました。泣けて笑える映画でした。劇場で恥ずかしながら声を出して笑い、主人公の茂木莉子のように肩を震わせて泣きました。そして上映を観終わった後は自宅に帰って、録画しておいたドラマ版を見て、また笑って泣いて…。試写会の時から、ドラマ↔映画のループが止まりませんでした。
南相馬市にある老舗映画館「朝日座」を畳もうとする支配人森田(柳家喬太郎さん)の前に、若い女性茂木莉子(高畑充希さん)が現れ、存続させようとします。莉子がなぜ朝日座の存続に拘るのかが紐解かれていく中で、家族(という血の繋がり)は幻想なのか、人との絆とは、約束を果たす事とは…といったテーマも出て来て、そこに笑いと涙をまぶした、温かい映画です。その一方でコロナ禍や東日本大震災・原発事故も物語に深く関わっていて、福島や日本の地方の今も映しとる「現代」的な映画でもあります。
私はマスコミ向け試写会と、福島県限定鑑賞券を使ってと、2度観ました。泣けて笑える映画でした。劇場で恥ずかしながら声を出して笑い、主人公の茂木莉子のように肩を震わせて泣きました。そして上映を観終わった後は自宅に帰って、録画しておいたドラマ版を見て、また笑って泣いて…。試写会の時から、ドラマ↔映画のループが止まりませんでした。
南相馬市にある老舗映画館「朝日座」を畳もうとする支配人森田(柳家喬太郎さん)の前に、若い女性茂木莉子(高畑充希さん)が現れ、存続させようとします。莉子がなぜ朝日座の存続に拘るのかが紐解かれていく中で、家族(という血の繋がり)は幻想なのか、人との絆とは、約束を果たす事とは…といったテーマも出て来て、そこに笑いと涙をまぶした、温かい映画です。その一方でコロナ禍や東日本大震災・原発事故も物語に深く関わっていて、福島や日本の地方の今も映しとる「現代」的な映画でもあります。
福島県限定鑑賞券は、得です。その分をパンフレット代の一部に回してみました。 |
私の「推し」は主に3つ!
1つは、茂木莉子を演じる高畑充希さんの目力が凄い!!朝日座を存続させようとする女性として登場する訳ですが、その強い強い意志があの高畑さんの目から伝わってきます。凄みがあります。その意志と目力の強さは、その後の劇中の登場人物に思わず或る“秘密”をぽろっと洩らさせてしまうところにも表現されます。莉子の強い意志は多くの人の心を動かし、巻き込み、物語が動いていくのですが、その原動力を観る方に納得させてくれたのは、まさに高畑さんの目力に象徴される演技です。観ている方を一気に朝日座に関わる登場人物の1人として引き込んでいくのですから、いやぁ痺れました。
~そして2度目に観た時は、既になぜ莉子が朝日座を守ろうとするのかが分かっているのですが、却ってその理由が分かっているからこそ、朝日座の前のやりとりのシーンから泣けてきました。~
2つ目は、朝日座支配人森田保造を演じる柳家喬太郎さんの魅力です。落語家は言うまでもなく、正座したまま会話劇で複数人を演じ分けて客を笑わせ、泣かせる話芸を持つ人の事ですが、さすがこれぞ一流の落語家、その演技の、話の「説得力」が違います。間も変化も最高です。
≪ただパンフレットに載っているインタビューからは、柳家喬太郎さんが役に臨んだ姿勢はやや違うともとれます。≫
3つ目は、タナダユキ監督の絵の構成の素晴らしさです。2ショットの長回しが多いのです(これはドラマ版もそうですが)。なので話している出演者を見るも良し、話を聞いている方を見るも良し、ちょうど芝居を観るように、観客に選ぶ楽しみを残した画作りなのです。
~2回目に観た時は、とにかく高畑さんだけを見てみたり、高畑さんの話を黙って聞いて受け止めている柳家さんを見たり、フォーカスの合っていない奥の人を凝視したり…。筋が分かっている分、好きに焦点を当てて見る余裕が出来ました。~
なんてそこに気を取られていると、その視野の外には別の展開が待っていたりして…。
パンフレットには、監督や出演者などのインタビューだけでなく、映画に登場する“あれ”や茉莉子先生の“映画講座”も…。観る前でなく、観た後に読まれる事をお勧めします。出演者やスタッフが考える「わたしの二本立て」も載っていて、これをきっかけにまだ見ぬ素敵な映画に出会えるかも知れません。
どうでも良い、「徳光の二本立て」はこちらをクリック。
1つは、茂木莉子を演じる高畑充希さんの目力が凄い!!朝日座を存続させようとする女性として登場する訳ですが、その強い強い意志があの高畑さんの目から伝わってきます。凄みがあります。その意志と目力の強さは、その後の劇中の登場人物に思わず或る“秘密”をぽろっと洩らさせてしまうところにも表現されます。莉子の強い意志は多くの人の心を動かし、巻き込み、物語が動いていくのですが、その原動力を観る方に納得させてくれたのは、まさに高畑さんの目力に象徴される演技です。観ている方を一気に朝日座に関わる登場人物の1人として引き込んでいくのですから、いやぁ痺れました。
~そして2度目に観た時は、既になぜ莉子が朝日座を守ろうとするのかが分かっているのですが、却ってその理由が分かっているからこそ、朝日座の前のやりとりのシーンから泣けてきました。~
2つ目は、朝日座支配人森田保造を演じる柳家喬太郎さんの魅力です。落語家は言うまでもなく、正座したまま会話劇で複数人を演じ分けて客を笑わせ、泣かせる話芸を持つ人の事ですが、さすがこれぞ一流の落語家、その演技の、話の「説得力」が違います。間も変化も最高です。
≪ただパンフレットに載っているインタビューからは、柳家喬太郎さんが役に臨んだ姿勢はやや違うともとれます。≫
3つ目は、タナダユキ監督の絵の構成の素晴らしさです。2ショットの長回しが多いのです(これはドラマ版もそうですが)。なので話している出演者を見るも良し、話を聞いている方を見るも良し、ちょうど芝居を観るように、観客に選ぶ楽しみを残した画作りなのです。
~2回目に観た時は、とにかく高畑さんだけを見てみたり、高畑さんの話を黙って聞いて受け止めている柳家さんを見たり、フォーカスの合っていない奥の人を凝視したり…。筋が分かっている分、好きに焦点を当てて見る余裕が出来ました。~
なんてそこに気を取られていると、その視野の外には別の展開が待っていたりして…。
パンフレットには、監督や出演者などのインタビューだけでなく、映画に登場する“あれ”や茉莉子先生の“映画講座”も…。観る前でなく、観た後に読まれる事をお勧めします。出演者やスタッフが考える「わたしの二本立て」も載っていて、これをきっかけにまだ見ぬ素敵な映画に出会えるかも知れません。
どうでも良い、「徳光の二本立て」はこちらをクリック。
同じくタナダユキ監督作品『四十九日のレシピ』のパンフレット。 |
そして明日9月4日は、ドラマ版『浜の朝日の嘘つきどもと』が再放送されます。ドラマ版は映画のその後のエピソードです。特にまだ映画を観ていない方、是非ご覧になって頂くと同時に、録画をして頂ければと…。映画を観た後、また見たくなりますから。9月4日午後3時50分から再放送です。
そしてそしてドラマと映画を見て初めて、タイトル『浜の…』の意味が分かります。
タナダユキ監督と言えば、以前観た『四十九日のレシピ』が好きな作品の一つです。脚本は福島県出身の黒沢久子さんです。永作博美さんが良いんですよ~。来週の「風とロック」が終わったら、もう一度見てみようかしらん。
『四十九日のレシピ』を観た簡単な感想のブログは、こちらをクリック。
そしてそしてドラマと映画を見て初めて、タイトル『浜の…』の意味が分かります。
タナダユキ監督と言えば、以前観た『四十九日のレシピ』が好きな作品の一つです。脚本は福島県出身の黒沢久子さんです。永作博美さんが良いんですよ~。来週の「風とロック」が終わったら、もう一度見てみようかしらん。
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