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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Iwaki city 2-1
 『ゴジてれChu!』木曜恒例「ぶらカメ」のコーナー、今回はいわき市篇です。実は私が「ぶらカメ」でいわき市にお邪魔するのは、5年ぶりになります。

 前回(2019年12月放送)のエピソード(名店「うろこいち」と仏像博士、おばあちゃん大好き双子兄弟・仲良し三姉妹・狭い所好きワンちゃん、地元アイドル登場&イルミネーションでの“再会”)は、こちらをクリック。
いわき市久之浜町の「波立海岸」。
いわき市久之浜町の「波立海岸」。
弁天島は日の出スポットでもある。
弁天島は日の出スポットでもある。
 いわき市と言えば、海、太平洋です。そこで久之浜町(ひさのはままち)の波立(はったち)海岸からスタートです。
 海岸で前コメ(コーナー冒頭でロケ場所を紹介する顔出しリポートの事)を撮っていると、どこからか太鼓の音がします。近くの寺からで、中で厄除けの人の為の祈願をしていたとの事です。
砂に書いたきょうの決意…。
砂に書いたきょうの決意…。
周囲の杉は花粉色。春の兆しだ。
周囲の杉は花粉色。春の兆しだ。
「ここは1200年以上の歴史がある寺です。今は臨済宗になって私で15世です。」
 医王山波立寺(いおうざん・はりゅうじ)、通称「波立(はったち)薬師」は大同元(806)年創建と言いますから、平安時代にはこの寺はあったようですが、宗派が変わったり住職がいない時期があったりしたそうです。ですから何代目と聞かれればもっと増えるのですが、現在は宗派が変わった時点を以て“世”で表していると言います。
朱塗りの建物が、波立寺の薬師堂。
朱塗りの建物が、波立寺の薬師堂。
15世住職の岱寛氏。
15世住職の岱寛氏。
「以前は妻帯を禁じられていたので、世襲という訳でもなかったようです。私たちの先祖は、江戸からやってきたそうです。お坊さんの中には、行脚する人もいれば、一か所に留まる人もいます。1か所に留まって“住”みついたお坊さんだから“住職”と言うんです。」
ご対応頂いた皆さん。前列右から14世と奥様、後列左から15世と弟さん。
ご対応頂いた皆さん。前列右から14世と奥様、後列左から15世と弟さん。
穏やかな表情の石像が立つ。
穏やかな表情の石像が立つ。
 15世のお父さんである14世は
「今は潮の流れが変わって砂浜がだいぶ狭くなったんです。昔はもっと広くて、玉砂利が海を行ったり来たりしていたんですが、今は粒が小さくなっちゃって…。昔はその玉砂利が多くて、這い上がって海岸とを行き来していたんです。」
昔の波立海岸の話をする14世住職の里道氏。
昔の波立海岸の話をする14世住職の里道氏。
この玉砂利が海と海岸を行き来していたそう。
この玉砂利が海と海岸を行き来していたそう。
 そして14世の奥様は、嘗ては海藻を採るのが、地区の女性の楽しみだったそう。
「海藻に関しては、鑑札(漁業権)を買えば、その一年間は海藻が自由に採れたんです。冬の潮が引いた夜は、お友達と一緒にライトをつけて海藻を採りに行きました。ワカメやひじき等が採れて、自宅用や知人へのお裾分け、手土産に持って行きましたし、海藻類は市場に持って行って、売ってお金にも出来たんです。」
と奥様が言えば、14世も
14世住職の奥様。地元女性は海藻を採ったと言う。
14世住職の奥様。地元女性は海藻を採ったと言う。
ワカメやひじき等が採れた、豊かな海。
ワカメやひじき等が採れた、豊かな海。
「昔はその海藻の収益で、子どもを大学に行かせた家もあった位。ここでは海苔も採れて、紙を漉くように、型に入れて四角くして干すんです。そうすると香りが良くてね、ここの海苔じゃないと駄目だというお客さんもいたくらい。」
と話します。息子の15世も
「母は夜梯子を持って行き、岩から岩へ渡っていくんです。」
地元の海苔は香りが強く、また良かったという。
地元の海苔は香りが強く、また良かったという。
昔の海の恵みの収穫話に花が咲く。
昔の海の恵みの収穫話に花が咲く。
 するとお母さんも、
「皆が一緒だから怖いとは思わなかったんです。皆女学校も一緒でしたし。ただ義母(14世=ご主人の、お母さん)は心配して、探しに来た事もありました。」
 ワカメは干せば一年は保存できたそうですし、ひじきは
「炊き方があるんです。ただ炊けば良いのではなく、火加減と、重しを乗せて炊くんです。ワカメやひじきは店で買った事は無かったです。でもそうやって採っていたのは、いま70代くらいの女性までですよ。」
ワカメやひじきは、店で買った事が無かったそう。
ワカメやひじきは、店で買った事が無かったそう。
弁天島の近くの岩場でも海苔などが採れたのだろうか。
弁天島の近くの岩場でも海苔などが採れたのだろうか。
 採る人もいなくなりましたが、採れるワカメも少なくなったそう。14世曰く、
「昔は雲丹も採れたんだけど、今は餌となるワカメが温暖化で育ちにくいから、雲丹も昔ほど育たない。」
と語ります。いやいや、久之浜の歴史を伺えて良かったです。
温暖化で海の様相も変わってきたと話す。
温暖化で海の様相も変わってきたと話す。
夜な夜な寒い冬の海で、海藻を採る女性達がいたのだ。
夜な夜な寒い冬の海で、海藻を採る女性達がいたのだ。
 因みに地元の美味しい和菓子について尋ねると、
「梅月(ばいげつ)はどうですか? ここの柏餅は美味しいですよ。」
「おじいさんが柏餅を開発したんですよ。」
「多くの人がお寺に持って来すぎちゃって…。食べきれないと餅が硬くなっちゃうんです…。」
と言いながら柏餅を開発した“梅月”の先々代の写真が載ったパンフレットを見せて下さいました。
地元の人がお勧めする和菓子店は「梅月」。
地元の人がお勧めする和菓子店は「梅月」。
店のパンフレットに載る、柏餅を”開発”した先々代の店主。
店のパンフレットに載る、柏餅を”開発”した先々代の店主。
「その近くの“浜風きらら”で、イベントもやっていますよ。けさ、チラシが入っていました。」
 そこへ行ってみます。
 帰り際、15世が津波の跡を見せて下さいました。
「この高さまで津波が来たんです。」
「梅月」の近くでは、イベントもやっているらしい。
「梅月」の近くでは、イベントもやっているらしい。
波立寺の本堂。
波立寺の本堂。
 人の身長より上で、14年経とうとしている今も津波の跡は消えません。
「むしろ消さずに、残そうと思っています。」
 柱もずれたり、建物の中も被害にあったりしたと言います。
「畳が全部持って行かれたんです。当時は畳も入手困難で、この広さなら維持費を考えると床を板にしたほうが良いと勧められ、こうしました。」
15世住職の指すところまで、津波が来た。
15世住職の指すところまで、津波が来た。
当時の本堂の中。床の畳が全くなくなっている。
当時の本堂の中。床の畳が全くなくなっている。
 昭和から令和までの歴史を振り返って下さり、有難う御座いました。(つづく)
本堂の回りにも、がれきが散乱した。
本堂の回りにも、がれきが散乱した。
いまは畳張りから板張りに変わった本堂内。
いまは畳張りから板張りに変わった本堂内。
 柏餅が美味しいという“梅月”に行ってみると、柏餅が飛ぶように売れていました!

その2「羊羹にあっぷるパイ…名物は柏餅だけにあらず 久之浜の名店『梅月』」は、こちらをクリック。
柏餅の幟が立つ「梅月」。
柏餅の幟が立つ「梅月」。
これが目指す”柏餅”だ!
これが目指す”柏餅”だ!
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