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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
Kawakami hot spring
 時々、業務や休暇の関係で、アナウンサーの回しがきつくなる事があります。
 今回も1月31日金曜ロケで、入浴シーンがあるので“男性で”というオーダーがあり、“代打オレ”で第1・第3水曜日に新潟と結ぶ「ばんえつ横断お国自慢!」のリポーターを担当しました。
代打オレで、久し振りにあの良い温泉と”再会”。
代打オレで、久し振りにあの良い温泉と”再会”。
 今回は、立春を迎えてもまだまだ寒い日がある、という事で、福島の“個性豊かな温泉”の一つをご紹介しました(大雪の影響で2週間放送が延びたので、話がちょっとずれていますね、済みません)。
福島市の土湯温泉街。
福島市の土湯温泉街。
照明の上には、雪がこんもり。
照明の上には、雪がこんもり。
 今回お邪魔したのは吾妻連峰の中腹、福島市は土湯温泉の更に奥にある、奥土湯の「川上温泉」です。実はこちら、私が27年前に朝の全国情報番組『ズームイン!!朝!』で中継した事もある温泉宿なんです。
 土湯温泉街からは車で5分程度ですが、川上温泉までの車道を作ったのがこちらの川上温泉ともう一軒の旅館。売り上げの云十倍を投じて車道を引っ張ってきたのが昭和32(1957)年。それまでは歩いて30分程かかったので「奥土湯」と呼ばれています。
こちらが、土湯温泉の更に奥にある「川上温泉」。
こちらが、土湯温泉の更に奥にある「川上温泉」。
雪が風情を醸す。
雪が風情を醸す。
 創業は410年と古い温泉宿で、今のご主人は16代目になります。
16代目のご主人。
16代目のご主人。
玄関を入ると、壁や棚に先代が集めたこけしがずらり。
玄関を入ると、壁や棚に先代が集めたこけしがずらり。
 玄関を入ると、フロントの近くには東北6県のこけしがずらり。
玄関わきの”応接間”にもこけしが棚を埋める。
玄関わきの”応接間”にもこけしが棚を埋める。
こちらが27年前に中継でお世話になった先代。
こちらが27年前に中継でお世話になった先代。
「先代でもある父が多趣味な人で、こけしや冬虫夏草を集めていました。でも突き詰めてしまうと、次の趣味へと移るような人でした。」
そして一角には冬虫夏草も。
そして一角には冬虫夏草も。
珍しい冬虫夏草が保存されている。
珍しい冬虫夏草が保存されている。
 そんな先代が作ったのがこちら、半天嵒窟(がんくつ)風呂です。屋外の岩を職人に手掘りでくりぬいてもらい、凸の字状の浴槽を作りました。
「元は家族風呂があった所なんですが、使っていなかったんです。それで父がほかにはない風呂を作ろうと、考え付いたようです。ただ職人が毎日来られる訳では無かったので、足かけ3年かかりました。」
毎日磨く階段・廊下はぴかぴか。
毎日磨く階段・廊下はぴかぴか。
こちらが岩を掘った半天嵒窟風呂。
こちらが岩を掘った半天嵒窟風呂。
 浴槽は青森ヒバを使用。この青森ヒバも、先代がトラックを借りて青森まで行って調達、製材して運んできたもの。
「岩風呂だと浴槽の底が岩のままという所が多いんですが、うちは囲いも底も青森ヒバを使っています。その分、保温性も高いんです。」
奥行きは、土地の境界の関係でここまでが限界だったそう。それでも奥行きがある。
奥行きは、土地の境界の関係でここまでが限界だったそう。それでも奥行きがある。
嵒窟の中は湯けむりが立ち込める。
嵒窟の中は湯けむりが立ち込める。
 出来上がったのは、平成元(1989)年。以後野趣あふれる趣、幅も奥行きもある浴槽の広さ、それでいて嵒窟に入ると外が吹雪でも湯けむりが立ち込める暖かさで、人気を呼んでいます。事実去年12月、じゃらんの「まるで映画の世界なレトロ温泉ランキング」で3位に選ばれた温泉なのです。
浴槽は底も青森ヒバを使用。
浴槽は底も青森ヒバを使用。
先代のアイディアとバイタリティの賜物。
先代のアイディアとバイタリティの賜物。
 源泉は6つあり、湯音が90度と高いため、加水して提供しています。ただ湯量は豊富なので、加水した湯はかけ流し。実は玄関前の雪を溶かしているのも、風呂から溢れ出た湯を活用しています。
 無味無臭のくせのない湯ですが、つるっとした肌触りでとにかく温まる! ものの5分もしない内に、額に汗が滲んで、10分も入ると浴衣一枚でも汗が止まらなくなる良い湯です。
 するとご主人、
入って間もなく額に汗が! 温まる湯なのだ。
入って間もなく額に汗が! 温まる湯なのだ。
奥まで行くと、外の風の影響は感じなくなる。
奥まで行くと、外の風の影響は感じなくなる。
「実は人気があるのは、もう一つの風呂なんです。」
と仰います。それが、屋内の「万人(まんにん)風呂」です。こちらは幅4m、奥行き10m、そして途中から深さが1m20㎝もあるお風呂なのです。そこで浮き輪も浴室には用意され、お子さんは勿論、大人も浮き輪を使って温泉を楽しむ人もいるようです。
半天嵒窟風呂よりも実は人気の「万人風呂」。
半天嵒窟風呂よりも実は人気の「万人風呂」。
奥行き10m、深い所は1m20㎝の水深。
奥行き10m、深い所は1m20㎝の水深。
 内湯なので、こちらの方が嵒窟風呂より熱い! でも浅い方と深い方を行き来して、半身浴をしながらじっくり楽しむにはもってこいです。浮き輪を使ってうつぶせになると、ちょうど浮力だけで顔をつけずに浮かぶので、大人が浮き輪を使う気持ちも分かります。
深い所は、お子さんは浮き輪を使った方が良いかも。
深い所は、お子さんは浮き輪を使った方が良いかも。
浮き輪と浮力だけで、全身脱力してみる。
浮き輪と浮力だけで、全身脱力してみる。
 こちらは戦後には作られていたようで、ほかにお客さんがいなければ泳げそうなお風呂ですが、
「実は戦後、プールの無い地区の子ども達が、夏の子供会で泊まりに来て、ここで泳いだんです。その頃子どもだった方の中には『きょう日帰りで入れるのはプールの方?それとも嵒窟?』と問い合わせてくる方もいらっしゃいます。」
こちらが源泉からの湯(打たせ湯と勘違いすると、火傷するかも)。
こちらが源泉からの湯(打たせ湯と勘違いすると、火傷するかも)。
画面手前に近いほど、湯が熱い。
画面手前に近いほど、湯が熱い。
 宿泊客は夜9時半で男女入れ替わるので両方楽しめますが、日帰りの場合は昼から夜9時までなので、どちらかしか入れません。お目当てのお風呂が決まったら、宿に問い合わせた方が確実です。
カメラのレンズも湯気で曇ってしまう。
カメラのレンズも湯気で曇ってしまう。
外気に触れる分、万人風呂よりは熱さは抑えられている。
外気に触れる分、万人風呂よりは熱さは抑えられている。
 そんな川上温泉のフロントの柱時計の脇には、「赤土國民学校」の木札が掲げてあります。東京・赤羽に近い尾久(おぐ)の赤土地区の子ども達の疎開先でした。東北本線沿いですし、北上してそのまま福島に来たのでしょう。
「当時疎開していた方が、今でも『ただいま』って言って泊まりに来てくれますよ。」
玄関の柱時計の脇には、疎開先を示す看板が。
玄関の柱時計の脇には、疎開先を示す看板が。
疎開先で毎日温泉に入る事で、寂しい気持ちも少しは癒えただろうか。
疎開先で毎日温泉に入る事で、寂しい気持ちも少しは癒えただろうか。
 ほかにも仙台在住のさとう宗幸さんが『土湯讃歌』を歌った事もあり、宮城のテレビ局も数年置きにロケに来るなど、歴史ある旅館ならではの交流が続く川上温泉です。本当に温まるお湯ですので、皆さんもひなびた風情と、野趣溢れる露天風呂に、戦後はプールとしても使われた大きな風呂を楽しみに、奥土湯へいらしてみては如何でしょうか?
万人風呂の入口の戸には、「深い30tの温泉を堪能下さい」とある。
万人風呂の入口の戸には、「深い浴槽30tの温泉を堪能下さい」とある。
童心に帰れる風呂だ。
童心に帰れる風呂だ。
 なお福島市でもそれなりに雪が降る地区です。冬期間(11月下旬から4月初旬位まで)車で行く際は、冬用タイヤかチェーンの装着が必須です。
浴室でかけ流された湯は、玄関前の融雪に再利用。
浴室でかけ流された湯は、玄関前の融雪に再利用。
玄関にはかわいらしい絵とメッセージも。
玄関にはかわいらしい絵とメッセージも。
 川上温泉に行くには、まずは土湯温泉を目指してください。車だと東北自動車道「福島西インターチェンジ」から車で約20分、土湯温泉街に「川上温泉」と書かれた看板がありますので、その矢印方向に一本道を進んで右手にあります。公共交通機関を使う方は、JR福島駅から土湯温泉行きのバスに乗って40分程です。
極楽極楽…。
極楽極楽…。
車の方は、冬道運転用で。
車の方は、冬道運転用で。
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